『陽を汲みて』参沢よし子 著

あとがきに
 「“寝耳に水”のたとえの如く、癌の宣告は健康を自負してきた私にとってまさに青天の霹靂でした。
 病床にて振り返ってみれば、七十余年の人生は誠に伸びやかに過ごしてきて、今更悔いる事は何もありません。
 各種役職や福祉ボランティア等、皆様のご支援を受けながら、大禍なく務める傍ら、絵や陶芸など趣味も楽しんできました。
 ここで人生が終わっても、それは神のおぼし召しと納得しました。
 しかし、あと少しでも余生が貰えたら、拙い歌でも自分が生きたしるしを本にしたいと思いました。
 放射線治療が終わって退院後、体の回復を待ちながら、ここ十年間の近作の中から歌を択び出しました。(後略)」とある。
巻頭の「とどめなく洗濯したくなる日なり菜の花いろの陽を汲みあげて」が題名になった。(B6 186P 上製本)

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