十五歳の水兵の記
     北 岡 謙 一著

昭和十六年に十五歳で海軍掌電信兵を先生にすすめられ、佐世保海兵団に入団し、終戦による復員までの手記である。
あとがきに「平成十年の初秋に弟・宇山重明から、戦争体験記を執筆してみたらと話があった。何一つ功績めいたものもないまま、今も平凡な暮らしをしている者がと言葉を濁ていた。弟より知人に頼まれて校正した戦記詩集が参考にと送られてきた。
この話を家内や娘夫婦に話すと、私達も応援するからと勧められた。慢性腎不全の療養で沈みがちな気持ちの転換にでもなるかと、昔のことを少しづつ書き綴るうち漠然とだが当時のことが次々と浮かんで来た。この手記を書くには私個人の体験をおぼつかない記憶の中から呼び起こすしかなかった。表現が幼稚ながらも、ともかく書き終えることが出来た。
今、思うと弟からの勧めがなければと有り難く、また終始応援してくれた家内と娘夫婦達に心からのお礼を言いたい。また弟には最終推敲もしてもらった。本当に有り難う」とある。

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