『木方せき歌集』                    木方 せき 著

96歳で他界された母上をしのんで、兄妹で発行された歌集である。
著者の木方せきさんは「潮音」に20数年間にわたり投稿を続けられた。昭和53年に特別社友、昭和59年には、同人になられた。この間に(昭和56年から60年)「つくば歌人」にも投稿された。
本書には2000余首の歌が掲載されている。
自選歌より、
 ひたひたと足音吸はれ試歩の廊表札失せし部屋又ひとつ
 客人は源氏の君か襲ね衣の女雛はつかに動きし気配
 燃えつきし生命互み労はりあひ重なりあひて地に伏す落葉
岩井鶴二氏がワープロを打たれ、それを版にして印刷・製本した一冊である。
ご次男の岩井鶴二氏とご長女の木方良子さんが、それぞれ母への思いを別冊に印刷され添えられている。

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