角南とらを遺句集「二間川」
         角南英二発行

ご尊父が亡くなられ俳句が、約1万3千句遺された。生前いずれは自選句集を上梓されようと用意が少しされていた。
英二氏は、ご尊父の勧めで俳句の道にはいられ、同じく俳句を作っていらっしゃる奥様とお二人で本誌を上梓された。
選句は英二ご夫妻の師である辻恵美子氏があたられた。
369句の俳句に、ご尊父の趣味だった日本画の画帳より、葉鶏頭、犬蓼、石榴、葛の花、菊の花の絵が表紙と挿絵を飾っている。
そのあたたかい色調はお人柄を偲ばせる。
「二間川」より
正直な顔が並びて根深汁
しばらくは虹を見つめる学習塾
カナリヤの逃げし方なる春夕焼
振り返るたびに昏れゆく冬の山
もう少し生かして欲しき屠蘇の酔ひ

―――>戻る