「水彩で描く歴史的な集落と町並み重要伝統的建造物郡保存地の旅」

             中村興太郎

まえがきに
「全国各地に残る城下町、宿場町、港町など古い町並みや集落を描きたくて、1996年秋、倉敷、吹屋へと向かった。
 それまでに描いてきたものも多くはこういった風景であったが、これからしばらくは具体的なテーマとして、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されたところを描いてみようと考えたからであった。
 それから5年。当然のことながら、歴史的に価値のある町並みや集落のどこもが絵になるというものではなかったが、それでも無事20カ所の風景を描くことができた。
 この画集は、そのおのおのの保存地区について5点ほどを描いたものの中から、それぞれ1点を選んでまとめたものである。
 すぐれた歴史的景観を残す集落や町並みはまだまだ多く、新しい題材を求めてまた訪ね歩こうと思う。
 なお、旅の参考になればと思い簡単な案内を付け加えておいた。」とある。
大内、五箇山、赤沢、海野、妻籠、岩村、美濃、熊川、近江八幡、京都、美山町、倉敷、吹屋、萩、筑後吉井、長崎、竹富島のそれぞれ21点の水彩画がカラーで印刷されている。水彩の快い色調は、郷愁を感じさせる風景にマッチしている。

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